コラム 『天文学とオリーブ搾油機』

古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、「学問して儲かるのか?」と問われて、
ミレトスのターレスというギリシアの賢人の例を上げた。

いわく、ターレスは、人に豊かでないことを嘲(あざけ)られ、
ついでに、「学問は人生に無用だ」と、決めつけられた。

しかたないので、彼は
天文学の知識から、日食の計算し、冬にオリーブの豊作を予測し、
次の夏に、有り金はたいて街中のオリーブ絞り器を借りまくり、
秋には、それを又貸しして、一財産築いてみせたという。

「彼が貧しかったのは、『学問の目的は別にあると世間に教えるためだ』」と、
アリストテレスは『政治学』で語っている。

これに類する話はたくさんあるが、要するにこうだ。

学問をすれば、

なぜ、お金に価値があるのかわかる。
なぜ、人が神を必要とするのかもわかる。
なぜ、人間が愚かなのかもわかる。
なぜ、魂が永遠なのかもわかる。

だが、わかったところで、現実がすぐに変わるわけではない。

自分が考えていることと、現実は、イコールではなく、
どこかで折り合いをつけるべきものだ。

嫌な上司とも、わがままな顧客とも、聞き分けのない家族とも、
どこかで折り合いを付けなければ、人は生きていけない。

私は、いつも「なんで人生はこんなふうになるのだろう?」と、
その原因を知りたくて本を読んできた。

そうやって20年ほど真剣に読書して、自分なりに悟ることがあった。

ただ、悟ったことと、現実の自分とは別である。
人生は囲碁のようなもので、空白を白黒の碁石で敷き詰めていく作業に近い。

その白と黒の碁石は、自分と現実が交互の手番で打ち合っている。

うっかり、現実に囲まれちゃっている局面もあれば、
なんとか、自分が現実を取り囲める局面もある。

ターレスは、その学問で現実を囲うことができたのだが、
あえてそうしなかった。

彼が囲もうとしていたのは、もっと別のものだったのだ。

だから聡明に生きて、なおかつ貧しいままだったのだ。

まずは、聡明でありたい。話はそれからだ。

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