コラム 『借金200万円』

『宮ちゃんにだけいうけどさあ、俺200万借りてんだよ』

同僚からぽつりと告白されたのは、私が退職前の残務整理で休日出勤しているときだった。
借金のことは人の噂では聞いていたので驚きはしなかった。

社会人になってからの私は、飲食代で浪費してしまうくせがついた。
当然、生活費が足りなくなって、毎月5万円キャッシングしていた。

幸いなことに、学生時代に作ったカードのキャッシング枠が5万円なので、
なんとかその枠でおさまっていた。

やがてキャッシングしている状態がデフォルト(初期設定)になり、
給料日の2週間前から金欠だった。

『宮ちゃん、会社辞めるのは俺のせいだよね。おごるから許してね』
と、その同僚は、コンビニのATMでキャッシングしてきた。
そのお金で、焼き肉をおごるという。遠慮して、割り勘にした。

この同僚は底抜けやさしくて、見た目も、雰囲気も、西郷隆盛みたいな人だった。
「お願いだからおごらせて」と申し訳なさそうにおごってくれた。

おごり上手の人だった。

私もついつい甘えておごってもらってしまったことがある。

巨漢とは裏腹に、人の気持ちの細かいところまでわかる、繊細な男だった。
義理堅さや人情を、やりくりしているうちに、借金が200万になったのかもしれない。

複利の力は偉大だ。
クレジット引き落とし日にカードローンで資金繰りする。
右から左に利息がついて、あっという間に借金はふくれあがる。

田舎に帰って再就職してからも、私はキャッシングがやめられなかった。
ようやくキャッシング生活から逃れたのは、人付き合いを最小限にして、
カードの暗証番号を変更してわからなくして
100均で買った現金出納帳に、日々の支出をすべて記録するようになってからだ。

(引用はじめ)

金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないと云うのさ──

義理を《かく》、人情を《かく》、恥を《かく》

これで三角になるそうだ面白いじゃないかアハハハハ

(夏目漱石 『吾輩は猫である』)

(引用終わり)

(終わり)

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