コラム 『罪と罰 スヴィドリガイロフ』

『罪と罰』にスヴィドリガイロフという怪人物が登場する。

彼は、前々から目をつけていた、

 

知的で聡明で飛び切りの美人であるドーニャを

自分のものにするために、彼女の兄であるラスコーリニコフに近づいた。

そこで偶然にも、ラスコーリニコフの犯した殺人の全容をつかんでしまう。

 

スヴィドリガイロフは根っからの詐欺師である。

 

彼は、歯の浮くようなお世辞で人に取り入り、お金で信用させ、

徐々に相手を洗脳して、自分の支配下に置き、意のままに操るが得意だった。

 

彼にとってお金は、信用を勝ち取るための撒き餌であるから、重要である。

 

お金のためならどんなことでも耐えられるので、

彼は卑屈な結婚生活にも甘んじていた。

人間を支配し、恥辱を与え、放蕩ために人間を利用するのが、

彼の人生だった。

 

そのためにはいかなる努力も惜しまない。

 

また、スヴィドリガイロフは、自分か犯してきた、

吐き気を催すような不品行の数々を

語って聴かせることに心の底から、喜びを感じている。

彼は、殺人を犯したことで、狂気に苛まされ、

呆然自失状態にあるラスコーリニコフを

なだめすかして、淫蕩生活の仲間にひきずりこもうとした。

 

それは、すべて、彼の純潔な妹ドーニャを、誘いこむための罠だった。

 

そのためには、彼と親しいソーニャという名の売春婦の貧困一家への

経済的援助も惜しまなかった。

 

善意にみせかけての、ドーニャ攻略のための狡猾な布石であった。

 

その策略に気づいたラスコーリニコフから強く拒否されると、

それまで慇懃だったスヴィドリガイロフの態度は一変した。

 

洗脳の効かない相手には、彼は不機嫌になる。

 

自分の中に流れる淫蕩の血を全力で肯定するのが彼の思想である。

 

その思想のなかに純潔なドーニャを巻き込んで、

堕落させ共犯者にしたかったのだが

果たせずに、彼は絶望して自殺してしまった。

 

しかし、ドーニャ攻略計画のためにばらまかれた彼の金が、

皮肉にも多くの人を助けたのだった。

 

(終わり)

 

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