コラム 『サードマン現象』

『サードマン現象』

アーネスト・ヘンリー・シャクルトンというアイルランドの探検家がいる。

 

彼は1914年に南極大陸を横断する探検隊を率いた。

 

途中、船が氷塊に囲まれ航行不能に陥り遭難したため、

20名近い隊員を残し、彼と隊員2名の分遺隊を組織して、

徒歩で南極の氷洋を踏破した。3人は1年8ヶ月に渡り旅をつづけ、

漁業基地にたどり着き、残された隊員も救助された。

寒さと飢えで、凍傷に悩まされながら旅を続けた3人だが、

後日、シャクルトンは回想で、4人目の同行者の〈存在〉を語っていた。

『サードマン現象』という不思議な現象がある。

遭難や、災害現場で危機的な状況に陥った者の傍らに

突然、「何者か」が現れて生還に導くという現象である。

 

多くの者が、その「何者か」に、命を救われたと語る。

 

その『何者か』にまつわる様々な事例が

『サードマン 奇跡の生還へと導く人』(新潮文庫)に描かれている。

 

シャクルトンも過酷な旅の中で、4人目の同行者の存在に気づいていた。

他の2人の隊員も、4人目のことを知っていた。

目に見えないもう一人の同行者が、

常に傍らにいて、励ましてくれるような力強い存在感を放っている。

 

しかし、シャクルトンは、回想の中でその4人目についてほのめかしているだけである。
彼にとっても他の隊員にとっても、その4人目の同行者を語ることは畏れ多いことだったのだ。

 

脳科学として考えれば、これは疲労による幻覚と判断されるだろう。

解離性人格障害という症例もある。

 

極限状態で人間は、励ましの声や、同行者を感じることもある。

信念が揺らいだとき、人は超越的存在の声を聴くかもしれない。

 

医療や薬は、あくまでも人間の自然治癒力をサポートするものにすぎない。

孤独や不安、退屈に支配された精神世界は、未知の存在へとつながる。

 

見えない誰かの存在を感じること。見られているという気配。

感覚が研ぎ澄まされると、気のせいだと見過ごしていた現象に圧倒される。

 

現実世界の背後に、思いがけない風景が見えてくる。

(おわり)

 

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